著者は山岳ドキュメンタリーの羽根田 治 氏

実際に起きた、いろいろな山岳遭難のパターンをわかりやすく説明をされています。

中でも積雪期の富士山にアイゼン、ピッケル無しで登り、山頂付近から滑落。その一部始終をネットで配信していたという事例。私もその映像を見ましたが、衝撃的ではあったが、なるべくしてなってしまったなという印象でした。

本著の中で私が一番教訓としたいと感じたところは、山岳ガイドの菊地敏之氏の言葉で〈結局のところ「危険」が最も危険なのは、その危険を察知できないところにある。問題なのは、なにが危険なのかわからない、危険をシュミレーションできない、危険なことを危険なことだと考えられない、ということなのだ〉という記述の部分です。

本著を読むと、「山で死なないためには、山に行かないことが一番だよね」と思えてしまいます。