
バリエーション山行の心強い味方
参考:進化したハンディGPS ガーミン「inReach Mini 2」を持って雪山へ
バリエーションの山行で私が計画段階から気をつけている中の一つに下山時刻までに戻ってこられるかという所があります。できるだけ余裕をもった計画を立てるように心掛けていますが、バリエーション山行というのは行ってみないとわからない部分があり、想定外なこともあり、状況によってはコースの変更も強いられる。その時々の危険を察知し、自然に逆らわないように、その時の状況に合わせて対応し危機を乗り越える。
そんな状況のさ中に下山時刻が迫ってくると、心配をかけてしまうなぁという気持ちから焦りが生まれミスを誘発してしまうことになります。もちろん携帯は繋がらない。無線機で遭難時に非常通信はできたとしても留守宅本部と下山遅れの連絡を取る事はできません。登山アプリの見守り機能も人とすれ違うことなどバリエーションルートでは、ほぼありえないでしょうし自身の携帯もオフラインの環境で見守り機能は使えません。携帯からメールで留守宅宛てに下山遅れの連絡を送信をしておけば、どこか電波が繋がったタイミングで送信できる可能性はありますが、確からしさは劣りますし貴重な携帯のバッテリーはできるだけ温存しておきたいというのもあります。
iPhone 14以降では、緊急SOSを衛星通信で利用し、携帯電話やWi-Fiの電波が届かないところでも緊急通報サービスにテキストを発信し救助を要請する使い方が可能です。また相互に衛星経由対応の機種なら友人や家族と衛星経由のメッセージで連絡を取り合う事ができます。しかしiPhone14以降の機種という縛りがあり利用できる範囲は限定されてしまいます。
そこで私が愛用しているのがinReach Mini 2(インリーチ ミニ 2)です。衛星ネットワークを介して双方向にメールでテキストメッセージを送受信することができます。さらにコンパクトで防水性・耐衝撃性に優れているので、バリエーション山行では本当に心強い味方になります。
私の実用例として、下山遅れの連絡を家族や留守宅へ事前に連絡をとりお互いに安心できて、その後も落ち着いて行動をとることができました。地図には表記されていない崖に遮られ目的の尾根に乗ることができずコースを変更した時に家族や留守宅にコース変更の連絡ができて落ち着いて行動する事ができました。キリマンジャロへ山行に行ったときには、家族と留守宅へ毎日、山行や体調状況の連絡を取り合いながら安心安全を伝えることができました。また、遭難者の捜索に参加し発見に至ったケースでは、現地から捜索本部⇒家族⇒警察というルートで連絡をやり取りしながらヘリによる救助に繋げることができました。
ただinReach Mini 2を持っていても本人に意識があり発信できる状況でなければならず、やはり山行計画書は、きちんと提出しココヘリを携帯することも合わせて必ず行っています。N-guy