
雪崩の怖さを正しく知る難しさ
1/25~26の2日間で労山東海ブロック主催の雪崩事故防止のための実技講習会に参加してきました。場所は栂池高原スキー場をゴンドラを使って登ります。その上部はバックカントリーエリアとなっており、アバランチキットをはじめ、冬山装備と登山届が必要なエリアになります。今年は岐阜、愛知、静岡から、講師、スタッフ、受講生あわせて20名の参加があり、若駒からも3名が参加しました。「あなたは雪崩に遭ったことがありますか?」あるわけないですよね!雪崩はただただ怖いと感じる感覚や逆に全く怖さを感じないというのはたやすい事ですが、雪崩の怖さを正しく知るというのは難しいことです。正しく知るためには、実地教育の機会と雪山の山行を通じて、気象と地形と積雪の前調べと実地確認。そこから得られる経験値の修正作業を継続的に行うことが必要です。その経験の積み方をどのようにすればよいのかを学ぶことができる貴重な機会だと感じています。また、他県の山岳会の方々との情報交換もあり、毎年の事ですが、とても有意義な時間となり楽しい実技講習会となりました。
初日はゴンドラから降りた所で、わかんや山スキーを装着し、ビーコンチェックを行います。そこからバックカントリーエリアに入り、30度以上の積雪斜面をつかって、降雪、積雪、積雪の変態や多様性、雪崩のハザード評価を学びます。そして、積雪断面観察や雪質、コンプレッションテストと破壊の特徴やエクステンディッドコラムテストを通じて雪崩や積雪のデータ採取や気象のデータの採取、積雪構造のパターンを学びました。そして実際に積雪のある急斜面を歩きながら安全行動の実践や違う斜面での積雪の違いなどたくさんの雪崩事故防止のための知識を学ぶことができました。
2日目は場所を変えて、捜索と救助の訓練です。雪崩ビーコンの特徴やグリッドサーチの方法。プロービングの方法。もし雪崩に遭ってしまった時の心構えや行動。雪崩捜索の5段階として、状況分析の方法、消失点に向かって電波シグナルを探すシグナルサーチ、ビーコンの反応に沿って素早く埋没者に近づくコースサーチ、埋没者の位置を特定するファインサーチ、埋没者の掘り出しとその後のケアと応急処置、優先すべき捜索区域の見方や組織的な捜索方法を学びました。
雪崩の実技講習に参加した経験のない方には専門用語の多さに「何のこっちゃ?」だと思います。私もこの講習会に参加して3回目になりますが、まだまだ勉強中です。雪崩死亡事故の実態に興味のない人は論外ですが、雪崩の怖さを正しく知る難しさを理解して雪山へ入ることが大切だと思いますし、どこの山岳会でも言えることですが、アバランチキットの必要性を理解せずに雪山を計画するようなことが無いようにしていきたいですね!雪崩に巻き込まれたあなたを救助するために命のリスクをかけて捜索してくださる救助隊の方々や、そのご家族のことも考えアバランチキット携行の必要性の有無と機能を満たす冬山装備、そして登山届提出など責任ある行動がとれる自立した登山者として雪山を計画すべきだと思いませんか?N-guy