花咲く横尾本谷右俣
7月27日、28日に夏合宿のトレーニングで初級バリエーションルートである北アルプスの横尾本谷右俣に行ってきました。
私は以前秋に行ったことがありますが、盛夏は初めて。雪渓がどうなっているのか、また7月にこの一帯で大雨で渓相がどう変化したのかなど心配はありましたが、結果無事に行ってこられました。
7月26日の夜に名古屋を出発。あかんだな駐車場近くの某所でテントを張り仮眠。翌朝朝いちばんのバスであかんだなから上高地に入りました。
あかんだなの駐車場はさぞかし満車だろうと思いましたが、そこそこ車は停まっているもののさほどでもなく、バスの行列もたいしたことなく、拍子抜け。
順調に上高地に入れました。天気は予報でもあまりパッとせず。稜線上はガスで覆われています。
7月上旬の大雨で梓川左岸が水に浸かったようで、明神館までは右岸を歩きます。
↓ 青空に映える屏風岩。だんだん天気はよくなってきて、本谷橋に着くころには、日差しが強く、焼けそうでした。
本谷橋までは、涸沢に行く人、帰ってくる人が多く、すれ違いで「こんにちは」地獄。
本谷橋で準備をして、横尾本谷に入っていくと、だれもいませんでした。
最初は、沢の右岸を進み、大きな岩のゴーロ帯をプチ高巻きを交えながら進みます。沢靴ならなんでもないところでも、ドボンして登山靴を濡らさないよう、気を遣いながら進みました。思ったよりは水量がなくてよかった。
南向きの明るい沢なので、日差しに焼かれながら、とにかく歩きます。
涸沢、左股を過ぎるとだんだん傾斜が出てきて沢幅もせまくなって、右へ左へ移りながら進みました。
本谷橋から3時間くらい登ったところで、谷も狭くなり、濡れないと登れないところが出てくるので、そこを右から巻くと、傾斜も落ちて水量も減ります。
黄金平はもう近く。途中、水が枯れそうなところで給水して、灌木のブッシュ帯をもう一段超えると、雄大なカールが突然現れます。
ちょうどテントが張れる平らなところが一か所だけあり、今日のお宿はここにしました。屏風の頭が見えます。
チングルマの巨大な群落も。そこかしこに。
雄大なカールの中で、われわれ以外にだれもいない、鳥の声しか聞こえない。静かな別天地です。テントを張ったところの近くの岩の間に、秋に来たときはなかった伏流水が流れていました。とても冷たくおいしかった。
ここは大草原の小さな家みたいで、お気に入りの場所です。
夕食は新人のTくんの玉子丼。生卵を割らずに持ってきてくれました。おいしかった。
私はこの日、楽しみにしていたビールをザック内で穴をあけてしまい、ザックの中をビール漬けにしてしまい、Sさんのおそすわけにあずかり乾杯。
この日は名古屋も酷暑日だったようですが、標高2500m付近でもまったく寒くなかった。
翌日は3時に起きると、テントをたたく雨音が。少し様子をみて、5時過ぎにカッパを着て出発。幸い、ガスっていても稜線は見えたので、目指す方向は確認でき、最低鞍部を目指して、歩きやすいところを歩いていきます。念のため軽アイゼンは持ってきましたが、カール内の雪渓もほぼ平で滑落の危険はなさそう。
途中、ガラ場や草付きをやり過ごし、稜線まであと少しのところ。
稜線の縦走路に出ました。上部はガスガスですが雨も弱まり、3人で記念撮影。槍ヶ岳方面は終始ガスの中でした。
あとは槍沢をどんどん下って上高地を目指すだけ。
途中ババ平の対岸に大滝が3本見えました。同じ会のNさんが登っているはず。水量も多く、かなり立った大きな滝でびっくり。いるかな~と目を凝らしましたが見えず。
横尾に着いたら、10時半。13時半のバスの時間に間に合いそうなので、頑張って歩きました。
帰りは激混みのひらゆの森を避け、前から気になっていたほうのき平の宿儺の湯へ。600円とリーズナブルで、温泉もきれいで空いていました。
空いた駐車でテントを干してお風呂に入っていたら、雨が降ってくるというハプニングもありましたが、これもご愛嬌。
みなさんお疲れ様でした。
山行データ 1日目
山名・山域 | 横尾本谷右俣 |
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山行ルート | |
日付 | 2024.07.27-7.28 |
所要時間 | 1日目 6時間 2日目 6時間 |
山行人数 | 3人 |
天候 | 1日目 曇りときどき晴れ 2日目 曇りときどき雨 |
山行記録 | 1日目 5:30 上高地 8:30 横尾 11:00 本谷橋スタート 12:30 二股 14:30 黄金平 2日目 3:00 起床 5:10 出発 6:30 稜線 10:30 横尾 13:10 上高地 |
備考 | 谷の中は流されてきた浮いた大岩やもろい岩も多いので、安易にもつと崩れて危険。 |