20/04
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クライミングで長年お世話になっている鳳来のクライミングエリア。鳳来のクライミングエリアは、主に、乳岩峡方面と、鳳来湖湖畔方面と、栃木沢方面とに分かれており、鳳来湖を中心とした結構な広域範囲となっています。このエリアには、ルート開拓されていない大きな岩もたくさんありますが、なんでこんなたくさん大きな岩があんの~?

話せば長いのじゃが、まあ聞いておくれ。

日本列島がいまの位置に落ち着いた頃の1500~1400万年前頃、中央構造線に沿った北側に活発な火山活動がみられました。めちゃドカンドカンと激しかったみたい。鳳来湖周辺はその場所に当たります(この付近では中央構造線はほぼ151号線沿いになるよ)。

1500万年前の日本列島の様子はこちら https://mtl-muse.com/mtl/aboutmtl/mtl-history/

この火山活動のラインは、鳳来湖がある設楽を東端として、室生~奈良~二上山~小豆島~香川~石鎚山~松山周辺~山口大島に伸びています。ラインが瀬戸内海に沿っていたので、瀬戸内火山岩類(系)とか瀬戸内火山区とか呼ばれているそうです。以前はこのラインが火山のフロントラインだったとのことです。

なんでこの一連の火山活動があったかというと、日本列島の西半分がいまの位置にちょうど収まる頃に、めちゃんこタイミングよく、できたての温度の高いフィリピンプレートが沈み込んで、大量のマグマが発生したからみたい。このタイミングのよさのおかげで、西日本にお山がたくさん作られたみたいだよ。

さて、鳳来湖周辺では、この火山活動で2回のカルデラ形成があったとのこと。このカルデラは現在「設楽コールドロン」と呼ばれているようです(コールドロンとは英語で”大釜”の意味で、火山構造性陥没地の総称ですが、ひらたくいうと元・カルデラのことみたい。ちなみに、カルデラもイタリア語で”大釜”の意味だそうです)。

こちらは20万分1の地質図です(豊橋及び伊良湖岬 NI-53- 2, 3 発行年:2004 (豊橋 初版:1956、第2版:1961・伊良湖岬 初版:1957)。

鳳来湖周辺のオレンジ色の部分が、なんとなくカルデラっぽい?

このカルデラを埋めた厚い火砕流堆積物が自己の熱と重量によって一部が溶融し圧縮されてできたものが、我らがいっしょけんめ登っている溶結凝灰岩です。
鳳来湖畔にある上臈岩(女郎岩)の高さとか考えると、どんだけ堆積したんだ~って思いますよね。

瀬戸内火山岩類(系)の岩は流紋岩質が多いようで、鳳来湖周辺の岩も「流紋岩質溶結凝灰岩」とされることが多いようです。岩の基部におっこちている石ころを拾ってまじまじ見てみると、なるほど流紋(縞模様)があるのがよくわかります。流紋岩質だけに、色も白っぽいです。

 

 

■岩脈

上の地質図に「Bd」という青い線がほぼ南北方向に入っているのがわかるでしょうか。これは、「岩脈」を表しています(英語ではdikeといいます。クライマーのオアシス”ダイク”はここから来てるんですね)。

鳳来湖周辺には、大規模な安山岩の岩脈があります。設楽の火山活動の終末期に大地にひび割れが出来て、そこに溶岩が貫入して出来たとのことです。

有名なものに「障子岩」(鳳来湖岩脈第6岩脈)がありますが、最大規模のものだそうです。韋駄天・ミルキータワーへのアプローチの林道をそのまま歩いて行くとあるようで、岩脈の上を歩いて明神山方面へ行くこともできるようです(※一部のサイトでは明神山北西尾根の馬の背を「障子岩岩脈」としていますが、誤りだと思います)左側にあるようです。こちら方面はクライミングでしか来たことないけど、いつか行ってみたい。

また、鳳来湖が渇水になると現れる大岩脈(鳳来湖岩脈第10岩脈)もあるそうです(https://www.pref.aichi.jp/shinshiroshitara/feature/geo/data/20_igneous_rock.html)。

こちらは湯谷温泉にある「馬背岩」。これも安山岩の岩脈です。小規模ですが温泉街にあるので有名です。

この写真の手前の池は名号池と呼ばれています。ポットホール(甌穴)だそうです。でかくね?

ポットホールとは、固い岩の表面に水流による浸食でくぼみができ、そのくぼみに礫が入って渦流で渦巻運動をおこして円形の穴に拡大させたものです。川底が侵食の影響で下がってポットホールができた場所が水面より高くなと、見ることができるようになります。

 

■桟敷岩

乳岩峡は200~300mにわたってV字渓谷となっています。

駐車場からすぐ入ったところに「桟敷岩」と呼ばれる岩石段丘の河床があります。いつも歩いてるとこね。


the 段丘。

乳岩川が凝灰岩を削ることによってできた浸食地形だそうす(by鳳来寺山自然科学博物館)。

「桟敷岩」にはポットホール(甌穴)があるとのことですが、いつも何気に避けて歩いてた穴ぽこ(水たまり)がそうだったのか~。季節になるとカエルさんの卵が産みつけてあるよ。明瞭な円形でないので気づかんかった。

「桟敷岩」には、立体的な縞模様が出来ていますが、これは『「葉理構造(堆積構造)」と思われる』としているブログがありました。葉理は堆積物が水中にあるときに水の流れによって形成されるそうですが、なぜここの岩だけに葉理構造が出来ているのかなぁ。乳岩川に削られるうちにできたのかな?

ちなみに、「桟敷岩」の奥に小さな橋がありますよね、クライマーの皆さんが川に降りて手を洗っている場所です。ちょうどそこに、明らかに、「アンタ 流紋岩質溶結凝灰岩じゃないだろ」という岩が貫入しとります。

気づいたら視線を上げてみてください。

この辺りに多い岩脈のちびっこバージョン?だとしたら、玄武岩か安山岩ですかね?

 

はるか昔にできた岩さんたち。調べてみるとなかなかおもろいです。
大切に登らせてもらいましょう。

※専門家でないので間違いがあったらごめんなさい!
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