前穂高北尾根のスカイラインをたどる
9月9日夜発、1泊2日でHBさんと前穂北尾根に行ってきました。久しぶりに高い山でクライミングできました。
当初は、台風の影響やら何やらで、雨に降られること覚悟でしたが、思いのほか天気はよかった。
9月9日金曜日の夜に名古屋を出発。あかんだなの駐車場があくまで、平湯で車中泊。
翌10日の始発バスが5時半なので、4時半ごろにあかんだな駐車場に移動すると、すでに多くの人がいました。でも、激混みを予想していた割にはそれほど混雑しておらず、ひとまず安心。5時半の始発前に臨時便が出て、5時40分ころには、上高地に入れました。
いつもは中高年の方の姿をよく見ますが、若い人が断然多く、ちょっと登山界の変わってきたような気がしました。
朝の上高地。日の出の時間もだんだん遅くなり、霧が出ていて、幻想的な雰囲気です。ごったがえすような真夏の上高地とはちょっと違う雰囲気。
上高地からは、今日の宿泊地の涸沢カールまで、黙々と歩きます。少しづつ霧が晴れて、明神岳がくっきり見えるようになってきた。
屏風岩をあとにして・・
昼前に涸沢に着きました。
激混みの涸沢を予想していましたが、意外にテント少ない。よかった。でもこのあとにあとから続々と人が来て、いつものようなカラフルな涸沢になりました。涸沢ヒュッテの売店では、行列ができて、1000円の生ビールと700円のおでんセットが飛ぶように売れていた。おそろしや。
テント設営後は、翌日早朝発に備えて、5・6のコルまでの道を偵察に行きます。雪渓はすっかりなくなっています。
コルまでの道は、ヘリポートの脇から入ります。最初はペイントがありましたが、すぐになくなり、踏み跡と崩れたケルンを探しながら・・・。最初はよくわからず、ガラ場の中を歩きましたが、途中で踏み跡発見。どこでも歩けそうですが、ブッシュの脇を沿うように踏み跡がありました。おそらくこれが一番歩きやすいのかもしれません。
夕方の涸沢。テントは増えていますが、激混みとまではいかない。偵察は昼過ぎに終わり、ビールを飲んだ後、ヒマなので、適当なボルダーで少し遊びました。
夕方、あちこちでオダをあげる声が聞こえます。この日は中秋の名月の日だったのに、18時ごろには寝てしまいました。冷え込みはなく、3シーズンのシュラフで少し暑いくらいでした。
翌日は4時過ぎに出発。暗い中でも昨日の偵察のおかげで、順調に踏み跡をたどることができました。
われわれよりも早く出たパーティーがいたので、がんばって追撃します。
空が白み始めた。北穂や奥穂への登山道では早くもヘッドランプの明かりが見えます。
5・6のコルまできつい坂を1時間ちょっと。太陽が奥穂や涸沢岳の方を照らします。久しぶりにみた雄大な景色。
やっと着いた5・6のコル。でもこれからが始まりです。結構広いので、ここでビバークするパーティーもあるようです。
↓カメラがぼろいので、こんな写真ですが、5・6のコルからは、八ヶ岳、南アルプス、うっすら富士山も望めました。天気もよくてテンション上がります。
これから登る5峰。5峰ピークまでは踏み跡をたどって歩きですが、やせた尾根でもろい岩なので注意は必要です。
奥又白の池が小さく見えます。昔、奥又白から前穂4峰の東壁を登ったことを思い出しました。奥又白からも5・6のコルに上がれます。このあと、奥又白から上がってきたパーティーもいました。
振り返ると、槍の穂先が・・・。
5峰に立つと、4峰がどーんと見えます。ここで先行のパーティーの先を行かさせてもらいました。
全体を通して、4峰が一番いやだった。岩がもろく、ザレているところも多いので、落石やスリップに事のほか気を使いました。どこでも行けそうですが、行ってももどるのが難しそうなので、慎重にルートファインディングをします。「大岩」は左から小さく巻いて、リッジに戻りました。うしろのパーティーの「ラク!」の声がよく聞こえました。先行してよかった・・・。
来た道を振り返る。涸沢はだいぶ下になりました。
奥穂の方をみると、北尾根のスカイラインの影が写っています。おもしろい。
3・4のコルから3峰を見上げます。ここのコルでクライミングシューズを履き、ロープを出して準備をします。準備をしていたら、奥又白から来た元気なパーティーに抜かれました。
グレードは高くありませんが、単に堆積しているだけのような不安定な岩をチェックしながらの登りや、どこでも登れそうなので逆にルートどりが難しいという面もあります。実際、大きな岩が動いたような形跡がありました。去年の群発地震のせいかもしれません。
3峰の途中からガスがわいてきてしまい、フィナーレはガスの中でした。
やっと着いた前穂ピーク。たくさんの人でにぎわっていました。
あとは上高地にひたすら下るだけ。これが長かった。
明神岳の方に黒い雲が・・。急がねば。
紀美子平からは、岳沢小屋の赤い屋根が見えるのに、全然近づいてこない。だんだん暑くなって、いやになってくる頃に小屋に着きました。
上高地に着いた。いつも癒される景色。
上高地に着いたら、運よくバスの臨時便が出る時間に間に合い、あかんだな駐車場へ。そのあとは平湯の森で温泉につかって、高山でごはんをたべて帰りました。今回寄った「ちとせや」さん。地元の人でにぎわっていました。高山ラーメン定食を頼みましたが、地元の人は焼きそばを頼んでいる人が多かった。こちらが定番だったか!次回にリベンジです。
HBさんは初めての、わたしは二十何年ぶりの前穂北尾根でした。久しぶりの北アルプスを満喫しました。
山行データ 1日目
山名・山域 | 前穂高岳 |
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山行ルート | 北尾根 |
日付 | 2022.09.10 |
所要時間 | 涸沢から前穂まで5時間40分 |
山行人数 | 2人 |
天候 | 晴時々ガス |
山行記録 | 1日目 5:40 上高地 11:00 涸沢 その後5.6のコル偵察 18:00ごろ就寝 2日目 4:20 涸沢5:40 5・6のコル 7:30 3・4のコル 10:30/10:50 前穂 11:15 紀美子平 12:55/13:15 岳沢 15:05 上高地 |
備考 | 久しぶりの高山のクライミングだった。 |