24/09
13
山行記録

剱岳であそぶ

9月12日の晩に名古屋を出て、13日~15日まで剱岳に2人でクライミングに行ってきました。

事前の天気予報では、まだ夏の空気が残っていて、午後になるとガスったり、雨が降るような夏の山のような天気。どうなるのかな?と思いつつ名古屋を出発しました。シルバーウィークということもあり、13日の平日に休暇をとっての山行です。

東海北陸自動車道が夜間は飛騨清見から通行止めのため、久しぶりに41号から立山駅へ。平日でも駅前の無料駐車場はまあまあ埋まっていました。

DAY1

翌13日、HBさんがネットで予約してくれたアルペンルートで私は9年ぶりに室堂に入りました。予報どおりガスっています。

ここからは雷鳥沢にくだって、雷鳥坂を剣御前まで登り返し。久しぶりに登攀具の入った重いザックで地味に疲れます。途中で見た地獄谷。有毒ガスが多く出るようになったらしく、今は立ち入りできません。そういえば昔より噴煙が多いような気がする。登山道近くでもけっこう臭いもきつく、のどや目に刺激があります。

剣御前からテント場に向かって降りて行く。だんだんガスも晴れてきて、剱岳がみえてきた。

昼前に剣沢キャンプ場に到着して、この日は別山の岩場の中央稜に行くことにします。ここの岩場は、テント場からガレ場のアプローチ30分。とはいえ、トポもなくルートどりもいろいろできそうなので、ルートファインディングしながら登る練習には最適かもしれません。とりつきと思われるところに向かって適当にハイマツ帯やガレ場を登っていきます。

中央稜のとりつきと思われるところには錆びたハーケンやリングボルトがありました。

あとは適当に登れそうなところを登っていく。錆びたハーケンはいろんなところに打たれていますが、それに惑わされずに自分の力に合ったところを選んでルートをとることや明瞭な終了点はないので、ロープの流れを考えてピッチを切ったり終了点を作ることが必要になります。アルパインのいい練習になるのではないでしょうか。

別山の岩場の終了点につくころには、雨がポツポツし始め、雷も鳴り始めました。雷鳥さんも現れてゲーゲーと鳴いている。これはヤバいをと急いで別山北峰を経て、テント場まで戻りました。

テントに戻るころには本格的な雨になりました。夜はマーボー春雨丼とスープ。

DAY2

2日目は、剱岳本峰南壁のクライミングです。南側には顕著なアレートが4本(A1~A4)あり、A4が別山尾根だそうです。われわれはA2稜を登ることにしました。

朝3時起床でラーメン食べて、4時に出発。日の出は5時過ぎだけど、少しすると東側の空が美しくなってくる。鹿島槍の方でしょうか。

すでに別山尾根を登る人のヘッドランプの明かりがつながっています。みなさん早起きですね。

A2稜のとりつきは平蔵谷のコルから5分ほどくだったところです。テラスがあってわかりやすい。夏早い時期だと雪渓がありますが、この時期はガラ場を下ります。

とりつきにて。

ここから登攀開始です。昨日の雨で少ししけっていました。支点も錆びたハーケンが中心。カムもつかって慎重に登っていきます。

ルート上は、錆びたハーケンが連打されていると思いきや、急になくなったり。登れそうで岩の安定しているところを選んでルートをとっていきます。

はがれそうな岩や堆積した岩もあり、落石に神経を使います。ここもピッチごとの明瞭な終了点はないので、ロープの流れを考えながらのクライミングになります。

ルートは、フェイス状からだんだんリッジ状のクライミングになり、山頂付近の向かって緩やかになっていきます。この日は終日ピーカンで暑いくらいでした。

 

 

昼前に山頂に着きました。山頂は平日にもかかわらず、けっこう人でにぎわっていて、おっさん2人の記念写真をとってもらいます。

ここから、夏合宿で計画していた北方稜線への道を池ノ谷乗越までたどりました。長次郎の頭を巻くあたりがけっこう岩ももろく、気を遣います。

明瞭なふみ跡ではないので、ルートどりを考えながら行きます。視界がきかないとたいへんそうですね。無理して進まず、これは違うといった判断も大切か。

この先は行き止まりでした…。

長次郎の頭を巻いたあとは、基本長次郎谷の方を巻き進みますが、途中池の谷の方にも巻くところがあります。

池ノ谷乗越の手前の幕営適地…。

稜線からは、剱岳周辺の岩峰が俯瞰できます。右側が今春会の仲間が登った源次郎尾根。長次郎谷の雪渓はずいぶん後退していますね~。

八つ峰の岩峰群。

池ノ谷乗越のすぐ手前まできたところで、本峰のほうに戻りました。あとはテント場まで日に焼かれながらひたすら下ります。

途中剣沢の小屋で飲料を補給して、16時ごろに帰幕。テント場を出てちょうど12時間でした。お疲れさまでした。

夜はカレーとワンタンスープでおなかを満たして就寝。この日は暑くて寝苦しかった。

DAY3

夜中からテントをたたく雨音。風も出てきました。今日は帰るだけですが、雨中テントをたたむのもつらいので、雨が弱まったときを見計らって、急いでテントをたたみ室堂に向かいました。

山は早々にあきらめる人も多く、途中雷鳥沢のテント場から帰る人も合流して、室堂までの階段は大行列が連なっています。

途中で現れた雷鳥の撮影に気をとられている人たちをここぞと抜き去って、雨の中、8時過ぎのバスに乗って帰りました。

立山駅からは、行きと同じく41号を飛騨清見まで。グリーンパーク吉峰で汗を流し、途中、個人コンビニで有名な「あの」立山サンダーバードによりました。独特の空間に癒されました。興味ある人はぜひ立ち寄ってください。

別山の岩場も本峰南壁も池ノ谷乗越付近も20数年前にいったはずですが、忘却のかなた。フレッシュな気持ちで登ることができてよかった(笑)。忘れることは必ずしも悪いことではないようです…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


山行データ 1日目

山名・山域剱岳
山行ルート別山の岩場 剱岳本峰南壁A2
日付2024.9.13-9.15
所要時間
山行人数2人
天候1日目 曇りのち雨 2日目 晴れ 3日目 雨
山行記録9/13
8:35 室堂
11:30 剣沢キャンプ場
12:00~16:00 別山の岩場

9/14
4:10 テント場
6:30 平蔵谷のコル
9:55 剱岳
10:00~13:10 池ノ谷乗越手前ピークまで往復
16:00 帰幕

9/15
5:20 テント場発
7:45 室堂 
備考別山の岩場も南壁も岩もろく、ルートどりや支点づくりは工夫して行う必要がある。

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