登山の基本は日ごろの山行から
山岳会の登山とは計画からスタートし、登山口から目的地を踏み、下山口の安全な場所まで戻り、山行を振り返り、次の計画に繋げる所までを言います。
そして、登山には、個々の技術的な側面と、集団(パーティー)とした人的な側面があります。
その人的な側面とは、登山をスポーツや趣味として楽しみ、自由な意思で参加するメンバーとの関係性で成り立っています。そして、メンバーどうしが信頼で繋がっているからこそ上手く運用することができているのであって、個々の向き合い方や考え方をお互いに理解しあい合意が形成されていなければなりません。
少し乱暴な言い方になりますが、スマホを介して常に他者と繋がっていると感じることができる時代において、メンバーどうしの信頼もスマホを通じてでしか繋がっているに過ぎないと思う時があり、SNSの情報に対して、ベストな風景だけを切り抜き、部分的な情報だけを全てのイメージとして捉え、行ってみたい、やってみたいだけの集団になっていると感じる時があります。
それは、集団(パーティー)としての基本的な概念から外れ、登山において、共同生活の行動より自分の行動を優先したり、興味が自分に寄りすぎた言動や判断であったり、共同装備よりも自分の嗜好品が優先であったり、このような実態は、人と人とが繋がった集団(パーティー)と言うよりも、単独者が集まった集団に過ぎず、怖くて一緒に山行を共にしたいという気持ちにはなりません。自他を含めて共同責任を負うことを共有しない山行は集団(パーティー)という概念にあてはまらないと思うからです。
自分が自身に対して目的,計画,準備,実行,報告の責任を持つ。メンバーとの関係性も含め、これらは日ごろの山行で築き上げていくもので、その築き上げを繋がった集団(パーティー)として成果を確認する合宿山行にしていかなければならないと思います。N-guy