自立した登山者を考える
若駒山岳会HP内の「よくある質問」には、Q:行きたい山に連れて行ってもらえますか?A:最初のうちは連れて行くことがあっても、山岳会はツアー会社ではありませんので、いつまでもご希望に添えないと思います。自ら計画し自ら判断する“自立した登山者”を目指していただきたいと考えています。と紹介しています。
自立とは、「自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやって行くこと」とありますが、登山者の自立とは何でしょうか?色々な考え方があると思いますが「自らケガや遭難を回避する行動や判断ができること」と言うのが、私個人としての考えです。
色々な考え方がある中で、自立した登山者について、考え方の相違から同じ言葉でも捉え方が違い上手く会話が嚙み合わないと感じる事が多々あります。それはパーティー山行が単独山行化している状況であり、危険を感じる事さえあります。原因は「連れて行ってもらう環境」があるのと、「自ら切り拓いていく環境」に置かれているかの差ではないかと思っています。言い換えると「守られた環境で登山を楽しむ」のか「リスクに対して妥協や諦めることなく上手くいくように努力する」のか向き合い方の差でもあると思います。
歩きながら自然の風景を楽しみたい。頂上から眺める景色に感動したい。野生の生き物や高原植物の美しさに感動したい。仲間同士助け合いを感じたい。仲間同士で心の交流を深めたい。自分自身を鍛えたい。非日常を楽しみたい。リフレッシュしたい。筋力、体力UPをしたい。という事を考えながら計画をするのは楽しいです。そのためには、安心安全について、日ごろの山行を振り返り、講習や訓練山行なども通じて、計画段階からケガや遭難のリスクの認識を合わせ、パーティーとして安心安全の認識を共通化し、多様な考え方が尊重される時代において、向き合い方の差はあれど、総合力を発揮し安心安全に山行できる関係づくりについて考えていかなければならないと思います。N-guy