1月17日と18日に八ヶ岳西面の裏同心ルンゼと峰の松目沢に行ってきました。

アイスクライミングは道具の発達がすごくて、道具で登れてしまうところがあり、うーんと思うことがないわけではないが、思い出したように無性に行きたくなるのが不思議なところである。

というわけで、最近は年に2,3回しか行かなくなったのに、また無性に行きたくなり、遅まきながら今季初アイスに行ってきた。

17日は平日金曜日。いつもはいっぱいの八ヶ岳山荘前の駐車場もガラガラでうれしい。

DAY1

朝ゆっくり身支度して赤岳鉱泉までゆっくり歩く。朝は曇りがちの天気だったが、だんだん晴れてきた。

よく冷え込んだようで、霜がフワフワとおもしろいかたちに発達している。まるで花みたいだった。

重荷にあえいで赤岳鉱泉に着くと、ここもガラガラでうれしい。一等地にテントを張った。

一日目は、思い出せないほど、超久しぶりに裏同心ルンゼに向かう。1月も半ば、だいたい南岸低気圧が通る時期に八ヶ岳付近に雪が降ると、滝が埋まってしまい、見向きもされなくなるルンゼだが、どうなっているか?

行くと、トレースがついていた。ひょっとして、意外に滝が出て誰か登っているのか?と思いながら行くと、トレースの主はそこでどこか別のところに向かったようであった。

F1はほぼ埋まっていた。やっぱり(笑)。雪は新雪のような雪で、最近降ったような感じである。

でもそのまま冬のルンゼを進むのだ。ラッセルしながら、小さくなった滝をつぎつぎと超えていく。八ヶ岳特有の乾燥した固まらない雪。その場足踏み地獄(笑)

上部に行くにつれて冬の太陽を浴びて輝く稜線が見える。誰もいない冬のルンゼでラッセルするのは、しんどいけど楽しい。振り返ると自分たちだけの足跡。だれもほめてくれないが…。

最後の方でやっと滝らしいものが現れてありがたく登らせてもらう。

ここを超えると、あとは大同心稜に向かって右上していくが、雪にもぐってたいへんだ。

大同心稜までもけっこう急なところがあるので慎重に。草付きにアックスをかます。

冬の陽は燦燦と輝く。虹彩が見えた。

大同心の基部にやっと着いた。風は弱くありがたい。

あとはトレースがない大同心稜をこれまたラッセルしながら降りる。ルートを間違えると戻るのに消耗するので、間違えないように慎重に下った。振り返ると小同心は真っ白だった。

疲れた一日だった。夜はマーボー春雨どんぶり。18時には就寝。隣のテントの酔ったおやじの山談義がうるさかったが、知らないうちに寝ていた。夜中はカイロをたくさん投入したのに寒かった。寄る年波というやつだろうか。それとも本当に寒かったのか・・。

夜、水を入れたプラティパスを2人の間にはさんで寝たが、夜中に見たら凍りかけていたので、冷たい~と思いつつ、体の下に入れて寝直す。

DAY2

次の日は、峰の松目沢(南東沢)に行った。テントを撤収して、沢の入口に要らないものをデポ。

この日は先行者のトレースがあってありがたく使わせてもらう。

少し歩くとナメ滝が出てくる。これがF1だろう。ここで先行パーティーに追いついた。

日があがると暑いくらいになってくる。南東沢というだけあって、日当たりばつぐんの明るい沢だ。後ろを振り返ると、阿弥陀、中岳、赤岳が見える。

氷はやわらかく、アックスがよく効いて登りやすい。

滝が出てくるままに、どんどん登っていく。初めてなので、次に何が出てくるか楽しみながら登れた。

これがおそらく最後の滝だろう。一部下まで届いている箇所もあったが、よく陽にあたってシャンデリア状になっているところもあり、へたくそが登るところではないとここで引き返した。

この沢は、美濃戸からも近く初級者向きのエリアとあって、後からわりとたくさんの人が登ってきた。同ルートをを懸垂しながら降りたが、次々に後続が登ってくると、譲り合いでたいへんかもしれない。滝は小ぶりで、50mロープで可だった。懸垂のポイントもよく見ると両岸の立ち木に捨て縄(あるいは捨てビナ)があり、ありがたく使わせていただいた。

帰り路の途中、人がいないスキに、シャンデリア状の立ったところにトップロープをかけて遊んだ。

14時ごろデポ地点に戻る。ここからは2時間ほどで美濃戸口に着く。八ヶ岳山荘でコーヒーをごちそうになって帰宅した。


山行データ 1日目

山名・山域八ヶ岳 西面 
山行ルート裏同心ルンゼ 峰の松目沢
日付2025.1.17-18
所要時間
山行人数2人
天候晴れ
山行記録17日(晴れ)
6:50 美濃戸口
9:50/10:45 赤岳鉱泉
14:20 大同心基部
15:40 赤岳鉱泉

18日(晴れ)
7:20 赤岳鉱泉
7:40/8:00 峰の松目沢南東沢分岐
10:45 F8
13:40/14:00 沢分岐 
16:00 美濃戸口
備考峰の松目沢は晴れると暖かいくらいだが、氷は溶けやすくロープは濡れやすいので注意。