クライミングと沢登りで自然探訪と探索を目的に屋久島へ行ってきました。明日は長時間行動があるクライミング山行を計画していた為、4/29は調整日として一度は歩いてみたいと思っていた荒川登山口からトロッコ軌道と大株歩道をウィルソン株までの往復17.4kmをトレッキングすることにしました。

屋久島は、島を一周する道。白谷雲水峡へ行く道。淀川登山口へ行く道。観光客が車で走る道は大きく分けてこの3本しかなく駐車場は全て無料です。荒川三叉路から縄文杉登山の荒川登山口へと接続する町道荒川線への一般車両の乗入れは3/1~11/30の期間は終日規制があり荒川登山口へ向かうには淀川登山口へ向かう途中にある屋久杉自然観前から登山バス(約35分)に乗っていく必要があります。

バスの始発5時に乗りたくて4時過ぎに屋久杉自然観の駐車場に到着しバスの往復2000円/人と山岳部環境保全協力金1000円/人を支払い乗り場の列に並びます。4時30分過ぎには始発便は満車。駐車場も一杯です。日が昇り明るくなったころに荒川登山口に到着しトロッコ軌道(8.1km)を歩き始めました。時間はたっぷりあるのでゆっくり探索しながら歩く予定でしたが、思いのほか登山者の歩くペースが早く、そのペースにのまれ探索する余裕もなくあっという間にウィルソン株に着いてしまいました。ウィルソン株の中へ入り上を見上げるも、あのハート型になっていないではないか?あ~もう朽ちてしまって見れないのか~と思っていると、他の登山者の方がこの辺からみるとハート型が見えますよ!と教えていただき、見える角度があるようで、しっかりと写真の収めることができました。ここまできて1.9km先にある縄文杉を見ずに戻る登山者はいませんが、私たちの山行の目的の優先順として①クライミング②沢登り③縄文杉なので、明日の本番のクライミングに備えて疲れを残さないように、ここで帰りはのんびり探索しながら戻ることにしました。トロッコが走る森林軌道は安房川の右岸にあり線路の間に歩行用に板が敷き詰められ私的に日本一歩きやすい登山道だと思いました。森林開発として半世紀近くの間、屋久杉が伐採された時代があり、その名残りとして小杉谷集落跡を見ることができ、現在は伐採跡の複林事業も進められているようですがこの辺りの森は、とても自然の森とはかけ離れた植林の森といった感じで2度と元の自然の森に戻ることはないと感じることができます。あのずんぐりした巨木の屋久杉は台風常襲地帯に育つ杉の特徴のようで現存している屋久杉は幹がデコボコしているがゆえの使えない巨木として伐採されずに残されものだそうです。

映画もののけ姫の舞台ともなった白谷雲水峡にある弥生杉は昨年の8月の台風で最大瞬間風速40mを超える暴風の影響をうけ折れて倒れてしまいました。弥生杉の幹の中は空洞でシロアリ被害もあったと言われていますが、縄文杉も幹の中は空洞になっており未来永劫存在するものではなく倒木する前に見る機会が来るといいな~と思います。