
荒島岳南稜 再訪
3月9日、福井県の荒島岳に行ってきました。
おととしの2月、今回と同じく、真名川ダムから長い尾根通しで荒島岳を目指したが、視界不良と時間切れで敗退したルート。今回再度挑戦した。
今回は、天気図的には晴天が約束されているけど、果たして辿り着けるか?暖かくなって雪が腐って遅々として進まないのでは?と心配しながら、名古屋を朝4時に出発。九頭竜付近から新しくできた中部縦貫道の無料区間を利用しながら、朝6時半過ぎに真名川ダムの駐車場に着く。
前回は誰もいなかったのに、天気がよいせいか、思いのほか車が停まっていてびっくり。
ほかの人の記録をみると、ピストンで往復17kmほどあるようだ。長い一日になりそう…と思い歩き始める。
取りつきは、ダム湖の道路を渡って林道を行ったところの急登。ピンクテープの目印がある。前回のように踏み抜きを覚悟していたが、意外なことに雪は締まっていて歩きやすい。
急登を終えて尾根にとりつくと、ながらかな樹林帯に入り、のんびりと歩く。先行パーティーがいるようで、アイゼンの跡を追った。
ブナの木が朝日を浴びておもしろい影を作る。
少し退屈な広い尾根を上がると、モッカ谷山付近から樹林がまばらになってくる。
あれが荒島岳だ。まだ絶望的に遠く見える。樹木にエビのシッポがびっしりついて枝が折れそう。風雪の強さがしのばれる。
このあたりで先行の4人パーティー抜く。
2時間ほどでモッカ谷山に着く。ここからは気持ちのよい広い尾根が荒島岳に向かって伸びているのが一望できる。
先に見えるのはジャンクションピーク。南側には巨大な雪庇が発達していた。
ジャンクションピークから見た荒島岳。まだ遠く見える。荒島岳は標高1500mなのに、山容はどっしりしていて、雪におおわれ、とても立派だ。
ジャンクションピークから先は踏み跡はなくなった。今日は南稜への先行者はいないようだ。
稜線に出ると風は多少あるが、気温が低くないのでそれほど寒くない。もくもくと雪庇やクレバスを避けながら、歩く。
ピークがだんだん近づいてきた。下の写真は全層雪崩の跡。
ピークまでの登りは笹に雪がかぶった状態で、クレバスもあってルートどりを考えながら歩いた。
あと少し。ピークが近くなると風もだんだん出てきた。
ピークを見上げると、大量の登山者が・・。何かイベントでもあったのかと思った。さすが100名山。勝原の方から来た人たちだろう。
頂上にいたおにーさんにとってもらった証拠写真。カッパの色づかいが我ながらダサい。モンベルのアウトレットで買うと、残り物しかないのでこうなるのもやむをえまい。私は気にしない。
頂上で少し休んで、また長い尾根をたどって帰る。帰路、途中抜かした4人パーティーとすれ違う。地元の人らしく、地元ことばで「このルートをもう4回も登っている」という。「初めて? よいルートどりだったね」とお褒めのことば?をいただいた。
↓ 白山方面。白山は真っ白だった。
振り返ると青空に映える荒島岳。たおやか、という言葉がぴったりだ。
ジャンクションピークからはうっすら御嶽山も見えた。
あとは黙々と尾根を下る。午後になり気温もあがり、足が沈むことが多くなり、地味に疲れる。
不安だったのは、最初の尾根の取りつきの急坂。案の定雪は腐って、ステップが崩れやすく、泥壁にピックを刺してアイゼンを蹴りこんで滑落しないように気を遣った。
この日は、4組(単独も含む)ほどが南稜を登ったと思われる。多くは南稜を登って、そのまま別のルート(中出登山口など)へ下山した模様。デポしたもう一台の車で真名川ダムの車を回収したようで、ピストンしたのは我々だけかもしれない。
今回は、なんとかピークを踏めてよかった。天気と雪質に恵まれたよい山行だった。
山行データ 1日目
山名・山域 | 荒島岳 |
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山行ルート | 南稜ピストン |
日付 | 2025.03.09 |
所要時間 | 登り 4時間半 下り 3時間半 |
山行人数 | 2人 |
天候 | 晴れ |
山行記録 | 6:40 駐車場 7:00 尾根取りつき 9:00 モッカ谷山 9:20 ジャンクションピーク 11:15/11:30 荒島岳 12:50 ジャンクションピーク 14:45 尾根取りつき 15:10 ダムP |
備考 | 尾根は広く目印はない。視界不良時は迷いやすく注意が必要。この時期気温があがると雪が腐り、尾根の取りつきでは場合によっては懸垂をした方が安全かも。 |