22/02
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昨シーズン、雪崩ビーコン(正式には雪崩トランシーバー)を新調しました。

BCAというメーカーの「トラッカー3」という機種で、3本アンテナ、複数埋没者を探索できる機能付きの機種です。

雪崩埋没者を捜索するとき、ビーコンは、まず一番強い電波を受信し、そこへ誘導します。

次の埋没者を探すためには、一人目のビーコンの発信スイッチを切るか、その発信している信号をいったん無視して次の電波を探しにいく必要があります。

ふつう埋没者を掘り出すのにはある程度時間がかかるので、2人目の埋没者がいるなら、1人目の埋没地点を特定して、ほかの救助者に掘ってもらっている間に、2人目の埋没者を探す必要があります。そのために、最初の埋没者の信号を無視(抑制)して次の電波を探す機能がついているというわけです。

「トラッカー3」もボタンを押すことで、「シグナル・スープレッションモード」(SSモード)という、一番強い電波をいったん無視(抑制)し、次の信号を探しにいく機能がついています。

買ってから、家で、もうひとつのビーコンを発信にして、SSモードになるボタンを押してみましたが、SSモードに切り替わりませんでした。ひょっとして2つ以上のビーコンが発信されている状況でないと機能しないのかな…?取説にはそんなこと書いていないのに…と思い、先日試せる機会があったので、やってみましたが、やはり機能しません。

自分の操作方法が間違っているのかと思い、何度も取説を読み直しましたが、特に書いていない…。

そこで、先日販売店に持っていったところ、「メーカーに調べてもらう」とのこと。

結果は、操作が間違っているわけでなく、不具合がありSSモードにならないとのことで、先日販売店の方から、「保証期間内なので、現行モデルのものに無償交換します。」との連絡がありました。

販売店の人に、メーカー側はどういっているのか聞いたところ、次のとおりでした。

「原因は基盤(電気回路)の不具合だと思われる。最初(製造過程)からそうなのか、使用後そうなったかはわからない。こういったクレームは1年に1回あるかないか・・・。現行モデルは、(私の購入したモデル後に)基盤を変えている。変えたあとのものに無償交換する…。」

 

昨年くらいに、ピープスというメーカーのビーコンが、スイッチに構造上の問題があり、意図せずに発信が受信に切り替わったりしてしまうことが話題になりました(今は改良版が出されている。)。

これは「バックカントリー穂高」さんのYOU TUBEなどでも取り上げられていました。ネットでは、リコールレベルなのにメーカーが認めないのはおかしい、との指摘もありました。

確かにこれは、雪崩に埋没したときに、勝手に受信に切り替わったら、救助者に探してもらえないという命に関わるゆゆしき事態です。

今回のトラッカーの不具合は、そこまでではないものの、不具合を知らずに実際の現場で使うことになったら、きっと混乱していたことは間違いありません。

そうならないために、こういったものは、山で使う前に必ず持っている機能を事前テストしないといけないのかな・・と思う一方、なにか釈然としないものが残りました。